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モンゴル旅行記

4 September, 2025 - Tags: trip

7 月の中旬に 1 週間ほど休みを取ってモンゴルの乗馬ツアー & ウランバートル観光に行った。一緒にトルコに行った人間の中に乗馬をやっている人間がいて、モンゴルに馬に乗りに行かないかと誘われたのと、それとは別の人間にモンゴルをおすすめされていたのもあって行くことにした。運動神経が壊滅的なので正直乗馬には乗り気ではなかったのだが、終わって見ると相当良い旅行だった。

行程

日程行程
1 日目成田 ~ ウランバートル
2 日目乗馬 & 観光
3 日目乗馬
4 日目乗馬
5 日目ウランバートル観光
6 日目ウランバートル観光
7 日目帰国

1 日目

午後の便で成田からウランバートルへ飛んだ。もともとは夜 21 時ぐらいにウランバートル空港に到着するはずだったのだが、悪天候だったのか中国の上空を飛べないとかなんとかで、飛ばずにゲートのすぐ横で機内に2時間弱に閉じ込められていたのが辛かった。どうせなら機内ではなくゲートの前にいたかったのだが、一度扉を閉めてしまうと多分面倒くさいのだろう。結局ウランバートルに着くのは 23 時過ぎで、ツーリストゲルに着いたのは日付を超えた 1 時過ぎだった。もちろん夕食を食べる暇など無かったので腹ペコのまま泊まるゲルに着いたが、ゲルの中に謎のお菓子があって助かった。形は石ころみたいな謎の見た目をしているのだが、食べてみるとカロリーメイトのような食感で水を飲みたくなる感じの不思議な食感だった。今思うと宿でご飯を食べられ無いのはわかりきっているのだから、着いてすぐに空港のバーガーキングでテイクアウトするべきだったと思う。たまたま食べ物がおいてあって助かった。

2 日目

翌朝は朝一でいきなり羊の解体を見るところから始まった。それなりの道具が要るのかと思っていたが、ナイフ 1 本で皮を体から剥がしていき、全身を捌いていくのですごい。思っていたほどグロテスクでは無かったし、辺りが血まみれになることも無く血も体内に留めた状態で器などでかき出していくのは見ごたえがあった。


皮を剝がされている最中の羊

その後すぐに乗馬ツアーが始まった。 5 分ほど簡単な説明があって早速実践である。早速乗るの!? と思ったがそういえば自動車の教習の時も簡単に説明があった後すぐにアクセル踏んでたし乗り物ってそういうものなのかもしれない。モンゴル馬は他に比べて小さいと聞いてはいたが、実際に乗ってみると思ったより視点が高くて怖い。しかし、スタッフの人が乗馬初日ということを考慮してくれたのかゆっくり歩く程度でとても楽で良かった。初日は雨が多少パラついており、長袖を着ていても肌寒いなと感じる程度だったが、馬自体が実はとても暖かいおかげでそれほど寒さにこごえず、生き物を感じられたのは面白かったと思う。1 回の乗馬は 2 時間程度で。近くの見晴らしの良い丘まで登って下って終わった。


特に何にも繋がっていないのに逃げ出す気配も無い

午前はそんな感じで終わり、昼食は焼きそばのようなものを頂いた。この昼飯なのだが、まだ人が少なかったのもあって一人当たりものすごい量が来て、女性のスタッフさんなんかは半分以上残していた。海外あるあるだが、食事の量は基本的に日本に比べて多い気がする。

午後はテレルジ国立公園という場所に向かった。アリヤバル寺院という有名なチベット仏教のお寺があったり、見た目がマジで亀に似ている亀岩という巨大な岩があったりする。アリヤバル寺院には参道に説話の一節が書かれた看板が沢山あったり、有難いお話しが書いてあったりするのだが、基本的にどれも意味不明なのが面白かった。英訳がめちゃくちゃなのかと思ったらそんなことはなく、ガイドさんに聞いたところ正直モンゴル語でも意味不明なのでもうそういうものらしい。

寺院の次は亀石へと向かった。調べてもらうとわかるがこれがかなり大きく、恐らく高さは 20 m ぐらいはあったと思う。我々がひいひい良いながらゆっくり登ったり下りたりする中でガイドさんはまるでヤギみたいに軽快な足取りで進んでいく。人間としてのそもそものスペックの違いを感じた。というか普段がデスクワークで体を動かさなすぎなのである。ジムとか行こうかな。

モンゴル旅行通してそうだったのだが、韓国人観光客がかなり多い。基本的にモンゴルにいる外国人は韓国人、ロシア人、日本人で、半分以上は韓国人だったと思う。距離的にも人口的にも中国人が多いだろうなぁと思っていたのでこれは意外だった。なんでなんだろう。知らない文化的な繋がりがあるのかもしれない。

夕食には朝捌いた羊のホルホグとサラダ、羊肉のチャーハンを頂いた。濃い目のドレッシングとじっくり焼き上げられた肉がとてもよくあっていて、羊独特の臭みもなく、とても美味しかった。旅行に行く前のモンゴル料理の前評判はあまり良くなかったので正直期待してなかったのだが、これはとても良い意味で期待を裏切られた。


ホルホグ、旅行中食べた料理の中でも一番良かったと思う

3 日目

2 日目とは打って変わってこの日はとてもよく晴れていて半袖でも暑いくらいだった。特に観光の予定も無く 1 日中馬に乗っていた。乗馬経験が全く無い状態から始めて、学習曲線の一番急なところだったので乗馬自体はとても楽しく、これなら 1 日中ずっと乗って居られるなと思うほどだった。まぁそんなことはない、というのはすぐ次の日にわかるのだが...。気温は 30 度行かないぐらいなのだが乾燥しているので暑さはあまり感じられず、とても過ごしやすい。今までの旅行は国内でも海外でも関係無くとにかく空いた時間に予定を入れまくって観光地を回りまくる、というスタイルだったので基本的に見学メインだったのだが、こんな感じで体験メインの旅行は新鮮で、逆にそれが良かったと感じられたのだと思う。日本ではあり得ないことらしいが、そこそこ慣れてきたのもあって午後にはちょっとした駆け足をしたりもした。最初はただ馬上で揺られるだけだったのが、段々とバランスのとり方や体重のかけ方もわかってきて楽しくなっていた頃だった。


ひたすら青空と草原だけの景色が続く

モンゴル旅行でもう一つ良かったことは、周囲に光源がほとんど無いので星がかなり綺麗に見える事だ。日本だと視認が難しい天の川をはっきり見る事が出来る。日本でも山に入れば確かに星は見えるのだが、山の中では朝 4 時にはもう行動を始めたりしていて、相当早くに寝る必要があるので星が綺麗な時間帯に起きていることはほとんど無い。その点モンゴルでは心ゆくまで星空観察をすることが出来る。唯一問題があるとすれば、昼間はあんなに暑かったのに夜になるとダウンを着ていても肌寒いぐらい冷え込むことだろうか。事前に調べてきちんと厚手の寝巻を持ってきていて本当に良かったと思った。


天の川

4 日目

この日は 1 日中乗馬していた。拠点にしているツーリストゲルからチンギスハーン像まで往復する全部で 26 km ほどの行程で馬上には 6 時間以上いたと思う。3 日目は何だかんだ 1 回の乗馬が 2 時間程度、しかも途中でそれなりの頻度で休憩を挟んでいたが、道のりの長さもあって途中で休憩はあまり挟まれなかった上に、この日は前日よりも気温が上がった上に日差しも強くなっていたので気候的にも厳しい。丁度日本が 3 連休になっていたのもあってツアー参加者が初日と 2 日目よりもめちゃくちゃ増えていて 50 ~ 60 人越えの大所帯になっていた。食堂自体の定員が 50 人ちょっとだったので、晩御飯の時には丁度 5 人グループだった我々が食堂を追い出され、外でご飯を食べることになったと言えば、その多さがわかるだろうか。その全員が全員数日前から参加していたわけでは無く、その日に初めて乗馬ツアーに参加する人もいたので隊の移動速度も遅めの中で往復する必要があったので休憩が少なく馬上に連続している時間が長かったのが辛いポイントになっていた。確かに自分の足で歩く必要は無いのだが、馬上で揺られると言ってもただ水平に揺られるわけではなく基本的に上下に突き上げられることが多いので 1 時間も経つともうお尻が大変に痛くなってくる。何も考えずに乗っているとしんどいので、馬の上下に合わせて自分も腰を動かして半ば立ったり座ったりして振動を吸収する方法を次第に学んでいった。同行者の中にはお尻が切れてしまった人もいてその後の旅行に影響を及ぼし続けるぐらには中々ハードな 1 日だったが、全部の行程を終えて、滞在していたゲルキャンプに戻ってきて飲んだビールはまた格別だった。


チンギスハーン像、何も無い草原の中では目立っていた

観光客向けのラクダ、馬に比べると乗りやすいらしい

途中川で馬に水を飲ませたり

基本的にずっとこのような光景が続く。奥に見える点々は全て羊

5 日目

この日で乗馬ツアーは終了。朝食後にゲルを立ち、ウランバートル市内へと向かう。ウランバートルはバスこそ走ってはいるものの、公共交通機関があまり発達していない。さらにほとんどの人が車を使って移動している一方で、絶望的に市内に駐車場が足りておらず路駐だらけ。そんな中で車線の数も少なく、道の両側が路駐で塞がれてしまっているため、渋滞がかなり酷かった。発展途上国の宿命、といったところだろうか。また市内の大気汚染度も世界で一番酷いらしい。主に冬期の暖房で石炭を燃やしまくるのが理由だからでそうで、行った時は夏だったので、砂まみれのエジプトなどに比べると、大気が汚れているとは全く感じられなかった。

ホテルにチェックインした後に、簡単に中心地のスフバトール広場を見て回り、近くのチベット仏教のお寺を見に行った。歴史的な理由はよくわからないが、モンゴルにはチベット仏教が広く根付いているようで、一時期は仏の生まれ変わりと信じられた人物が皇帝として統治していた時代もあるらしい。モンゴルとチベットは環境こそ似ているものの地理的には遠く離れているはずなのでそこに繋がりがあるのは相当以外だった。詳しくは「ボグド・ハーン」や、「ジェプツンダンバ」で調べて欲しい。お寺自体は普通の観光地だったのだが、天井に描かれた絵がなかなか衝撃的だった。


衝撃的な天井

6 日目

この日は仏教大学が集まっているところや、博物館などいろいろなところを回った。個人的には中でもザイサン・トルゴイというところが良かった。小高い丘になっているところでかなり眺めが良く戦勝記念碑が設置されていて、ウランバートル市内を一望することが出来る。戦勝記念碑自体が一種のプロパガンダ施設となっていて、中身はソ連とモンゴルが協力してナチスと日帝を倒したところが描かれていた。モンゴルには独自のモンゴル文字もあるが、街中では主にキリル文字が使われていて、歴史的経緯を考えてもロシアとのつながりの強さを感じられる。ちなみにこのキリル文字を職場のロシア人に見せたところ、文字としてはわかるが文章としては全然意味がわからないらしく、言語としては全く別物らしい。

市内の主な博物館はチンギス・ハーン博物館とモンゴル国立博物館の 2 つがあるが、どちらか片方しか行けないのであれば断然チンギス・ハーン博物館の方をお勧めする。やはり一時的とは言えわずか数年でユーラシア大陸を征服しかけた国の英雄だけあって建物と展示への力の入れようがまるで違う。見学時間も 2 時間半ほどあったはずだがそれだけあっても全て見切れない程度にはなかなか量があった。


ザイサン・トルゴイから見たウランバートル市内。カラフルな建物が多い。

振り返り

Flickr

モンゴル